[メイン1] サイコザク : 「……おや、おやおやおや?」

[メイン1] Hollow Sleep : 「───」

[メイン1] Hollow Sleep : 振り返って、振り返った先は。

[メイン1] Hollow Sleep : 先程の。

[メイン1] Hollow Sleep : 「な……あっ!?」

[メイン1] Hollow Sleep : 思わず駆け寄る。

[メイン1] Hollow Sleep : 「だ、大丈夫ですか!?」

[メイン1] サイコザク : 「おや?えーっとあなたは……ご無事なようですね!」

[メイン1] Hollow Sleep : 「わ、私は……はい、大丈夫ですが」

[メイン1] Hollow Sleep : 「……どうなっているんですかこれ……本当に……!」

[メイン1] Hollow Sleep : がちゃ、がちゃ、と拘束を解けないかと彼女の周りに触れて。

[メイン1] サイコザク : 「……ってあれ?四肢が動きませんね…?どうなってるんでしょうか?」

[メイン1] Hollow Sleep : 「……わかりません、その……個室に入ったんですか?」

[メイン1] サイコザク : 「ええ!壁を殴り壊す目論見でしたが……思わぬ形で成功しましたね。」
大失敗である

[メイン1] Hollow Sleep : 「…………」

[メイン1] サイコザク : ラジオは変わらず大音量で鳴り響いている。

[メイン1] Hollow Sleep : 「………少々、お待ちを」

[メイン1] Hollow Sleep : ドアへと、近付く。結果は見えている、わかっている。知っている。でも。

[メイン1] Hollow Sleep : “肉体操作”──その力で、一撃を。

[メイン1] Hollow Sleep : ────当てた。確かに、当てた。

[メイン1] Hollow Sleep : しかし、結果は“御覧の通り”。

[メイン1] Hollow Sleep : 「…………」

[メイン1] サイコザク : 「うーん……これは……ピンチですね!」
サイコザクはあっけらかんと笑っている

[メイン1] Hollow Sleep : 「わ、笑っている場合ですか!」

[メイン1] サイコザク : 「一応これでも軍人ですからね!生きてるならめっけもんの精神です!」

[メイン1] Hollow Sleep : 「………なん、とも」

[メイン1] Hollow Sleep : 軍人。……彼女のパーソナリティの一端に、想像の外側のそれは驚きと、そして納得を齎す。

[メイン1] サイコザク : 「相手を真っ二つにして糞尿ごと血潮を浴びるなど珍しい真似でもありませんし、ご遠慮なさらず!」

[メイン1] Hollow Sleep : その言葉に。

[メイン1] Hollow Sleep : やるべき事を、目を逸らしていたことを、直視させられて。

[メイン1] Hollow Sleep : 思考を、足掻きを頭の中で巡らせるも、すぐに無意味さを理解して。

[メイン1] Hollow Sleep : 歯軋りを、僅かに。

[メイン1] Hollow Sleep : 「………………」

[メイン1] Hollow Sleep : 「…………ごめんなさい」

[メイン1] サイコザク : 「謝るべき事がありますか?何もできず囚われた無能が私で、囚われてしまった一般人、被害者があなたです」

[メイン1] サイコザク : 「こちらこそ、本当に申し訳ありません」

[メイン1] サイコザク : 「この通り手も足も出ません!あっはっは!」

[メイン1] Hollow Sleep : 首を横に振って。

[メイン1] Hollow Sleep : 否定の言葉も、何も紡げなくて。

[メイン1] Hollow Sleep : ────悪夢だったら、いいのに。

[メイン1] Hollow Sleep : 「…………すぐに、終わらせます、から」

[メイン1] Hollow Sleep : 一度上げられたジッパーを再び降ろして。

[メイン1] Hollow Sleep : とん、とん、と少しだけ身体を揺らし。

[メイン1] サイコザク : 目を閉じる。私は構わないが、彼には負担でしかないだろう

[メイン1] Hollow Sleep : 瞳を閉ざして。
目を、逸らして。

[メイン1] Hollow Sleep : ───ごめんなさい。

[メイン1] Hollow Sleep : 力を込めれば。

[メイン1] Hollow Sleep : 先程よりも勢いの弱い、熱の籠るそれがちょろ、ちょろ、と。

[メイン1] Hollow Sleep : 早く、早く、早く、早く、早く、早く。

[メイン1] Hollow Sleep : 無理矢理に、“終わり掛け”のそれを軽く、彼女にせめて当たらないように振って。

[メイン1] Hollow Sleep : そのまま、躊躇なくジッパーを上げる。

[メイン1] Hollow Sleep : 「すみません、ごめんなさい、ごめんなさい……ごめんなさい……」

[メイン1] サイコザク : 片目を開け、開けた方の目に湿った髪が入り慌てて締める。
そしてもう片方を開け、彼を見る

[メイン1] Hollow Sleep : 声が震える。言葉が漏れ出る。
………罪悪が、胸を突きさす。

[メイン1] サイコザク : 「……うーむ、やはり罪悪感を抱かせてしまいますか」固定されたまま、五体の内唯一つ生身の首を捻る

[メイン1] サイコザク : 「貴方が罪悪感を抱くのは理解できます。一応は人型の存在にかけるというのは、真っ当な倫理観があればそれは嫌がるでしょう」

[メイン1] サイコザク : 「しかし……やはり謝る必要は無いと思います」

[メイン1] サイコザク : 「貴方は悪くない、私という無能と、この部屋を作った外道に心を穢された」

[メイン1] サイコザク : 「ただの被害者ですよ」

[メイン1] Hollow Sleep : ────返す言葉は、喉元から出てくれなくて。

[メイン1] サイコザク : 確認の為四肢と繋がっている機械に信号を送り、稼働させようとする

[メイン1] GM : 扉は開き、どこかで何かが落ちる音が2つ。

[メイン1] Hollow Sleep : 「………………うごけ、ますか?」

[メイン1] Hollow Sleep : 辛うじて出たのは、現状確認。

[メイン1] サイコザク : 「……えーっと、先に出ていてもらえますか?一度切断されたわけですし、チェックが必要なので!」

[メイン1] Hollow Sleep : 弱弱しく、頷く。

[メイン1] Hollow Sleep : そして、後ろ手に扉を開けて。

[メイン1] Hollow Sleep : 外へと、出た。

[メイン1] サイコザク : 「……えーっと、ラジオは……流石にかかってますか、一応綺麗にしておかないと」

[メイン1] サイコザク : 「あんなことをさせられてた人の前で、綺麗にするというのは……気が引けますしね」

[メイン1] サイコザク : 言外に汚いと、穢らわしいと断じるようなもの死者に鞭打つ真似はするべきではない

[メイン1] サイコザク : 「……よし、拭き取れた」
変わらず起動する機械の四肢、それを使い大地に立つ

[メイン1] サイコザク : 形見のラジオをいつも通り首にかけ、扉から外へと向かう

[メイン1] Hollow Sleep :  

[メイン1] Hollow Sleep :  

[メイン1] Hollow Sleep :  

[メイン1] Hollow Sleep : ED「Hollow Sleep」シーンプレイヤー:   

[メイン1] Hollow Sleep :  

[メイン1] Hollow Sleep : 目が覚める。

[メイン1] Hollow Sleep : ────夢。

[メイン1] Hollow Sleep : 生々しく、真に迫るような──時折、そんな夢を見る。

[メイン1] Hollow Sleep : 今日も、きっとその1つだったんだろう。

[メイン1] Hollow Sleep : 小さく、口を動かして。

[メイン1] Hollow Sleep : 「いっ……」

[メイン1] Hollow Sleep : 奥の歯が、痛む。
厳密には──歯茎もろとも。

[メイン1] Hollow Sleep : 触ってみれば、血が滲んでいて。

[メイン1] Hollow Sleep : 「………」

[メイン1] Hollow Sleep : ───あれは夢だ。

[メイン1] Hollow Sleep : 本当に?

[メイン1] Hollow Sleep : ────あれは幻だ。

[メイン1] Hollow Sleep : 本当に?

[メイン1] Hollow Sleep : ここは、本当に、現実?

[メイン1] Hollow Sleep : 見たい夢を、見てるだけじゃない?

[メイン1] Hollow Sleep : 「違う、ちがう、ちがう……ちがう」

[メイン1] Hollow Sleep : 呟く言葉は、誰に向けてか。

[メイン1] Hollow Sleep : ────私は、夢から覚めたんだ。

[メイン1] Hollow Sleep : 「────あ」

[メイン1] Hollow Sleep : くらり。

[メイン1] Hollow Sleep : 強い、強い、強い、強い、眠気。

[メイン1] Hollow Sleep : 抗えない。

[メイン1] Hollow Sleep : ベッドの中に崩れ落ちて。

[メイン1] Hollow Sleep : その双眸は、閉じられて。

[メイン1] Hollow Sleep : 男は再び、眠りに。

[メイン1] Hollow Sleep :  

[メイン1] Hollow Sleep :  

[メイン1] Hollow Sleep : 堕ちる。

[メイン1] Hollow Sleep :  

[メイン1] Hollow Sleep :  

[メイン1] Hollow Sleep :  

[メイン1] Hollow Sleep : おやすみなさい。

[メイン1] Hollow Sleep :  

[メイン1] Hollow Sleep :  

[メイン1] Hollow Sleep :  

[メイン1] Hollow Sleep :  

[メイン1] Hollow Sleep :  

[メイン1] Hollow Sleep :